『蹴りたい背中』(綿矢りさ:河出書房新社)

あと、本屋で『蹴りたい背中』(綿矢りさ河出書房新社)を立ち読みました。
彼女の作品は「インストール」も読んだのですが
正直言って「インストール」には魅力を感じられませんでした。

「インストール」は、なんとなく学校から逸脱してしまった女子高生とごく普通の小学生が風俗チャットで金儲けをするというもので、テーマ的には引きこもってないで生身の人間と接するのもいいよ、みたいな事を言いたいのだと思われるものでした。
しかし、展開にテンポが無く抑揚に欠けた作品だったと思います。
そのせいで引きこもりからの脱皮という割と面白いテーマが台無しになっている気がしました。

で、「蹴りたい背中」です。
これも前作と変わらずクラスに溶け込めない普通の女子高生が主人公で、クラスに溶け込めないアイドルオタクの男子高校生がちょっとつるむようになるという感じの話ですがこれもやはり展開が唐突というか変というかであり読んでいてテンポが悪かったように思います。
しかし前作よりもこのような悪いテンポで読ませても支障の無いストーリーだったのでまあまあよかったかと思います。

綿矢氏はテーマは面白いものをかけるしプロットも多分いいんだろうと思います。
あとはクライマックスとテンポを直してくれたらいい作家になりそう…