『毛布お化けと金曜日の階段』(橋本紡:メディアワークス電撃文庫)

『毛布お化けと金曜日の階段』(橋本紡メディアワークス電撃文庫)を読了。

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両親を交通事故で亡くした高校生未明(みはる)は、
姉のさくらと、その彼氏和人と一緒に毎週金曜日お茶会をする。
いつもは優等生の姉は、金曜日(両親の命日)だけ階段の踊り場で毛布をかぶって動かなくなる。
そんなさくらとそれを普通に受け止める二人の、踊り場での奇妙なお茶会は
なぜか未明には憎むことができなかった。
それでも、傷を癒しながらふたりは変わっていくのだ。
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http://529.hito.thebbs.jp/Madam/1071836974
http://529.hito.thebbs.jp/Madam/1073060894
http://529.hito.thebbs.jp/Madam/1075998529
と同じ作者。
SFを書かない橋本紡の第1弾。

この人はやっぱりSFを書かないほうがおもしろい。
というのも、SFを上手く纏められないけれど、青春の淡い感情描写がなかなか上手いからである。

今作もいいでき。
自分の枠を決めつけてしまい、そこからから抜け出せない未明と、
力のない自分に葛藤する和人が上手く書けていた。

書いてること自体はまあ普通なんだけれど、
この人の淡い感じの文体がいい方向に作用している気がする。