『シュプルのおはなし』(雨宮諒:メディアワークス電撃文庫)

シュプルのおはなし』(雨宮諒メディアワークス電撃文庫)を読了。

第10回電撃小説大賞選考委員奨励賞受賞作。


おじいちゃんの宝箱を覗きこんだ少年が
さまざまなアイテムから空想を広げつつそれについて語るという、
作品内作品をメインとした短編連作形式のものでした。

う〜ん。
田舎もんのガキが考えることにしてはいささか難しすぎる気がしないでもないが、
まあ面白いといえば面白い。
一応心温まる系の要素もあるし、そこそこという感じ。
ただ、作品内作品に突入する前と終了後には章分けをして欲しかった。
「〜〜〜〜っていうお話でしょ?」という風につなげられるのはなんとなく不愉快かも。

キノの旅』(時雨沢恵一)『しにがみのバラッド。』(ハセガワケイスケ)
『Astral』(今田隆文)『ポストガール』(増子二郎)あたりが電撃の短編作品として挙げられるが、
それらと比べるとどうも弱い感じが否めない。
キノの旅』はブラックユーモアと独特の雰囲気、
しにがみのバラッド』は丁度いい泣き、
『Astral』はやはりちょっといい話、
ポストガール』はSF的設定(非人間人格)、独特の雰囲気、
という突出した点があるが、
これは作品内作品になっているおかげで雰囲気の統一性もないしばらばらな印象が。
ホントに弱いなぁ、これは。
決して悪い作品じゃないし、面白みが致命的にないというわけではないんだが、なんとなく弱い。
それが致命傷だとも言えるんだけれど。

まあ、とりあえず大きなツッコミどころはなかったと思われるので、
作者さんは様子見かなぁ。

今回の新人ラッシュは残りが『結界師のフーガ』(水瀬葉月)だけになったわけだが、
今のところ優劣をつけてみると(←安易な考えだけどw)
鎌池>(ホームラン境界)>有川=山科>(ヒット境界)>沖田>>雨宮>(地雷境界)>柴村という感じ。
益々9期万歳になっていってしまうw


そういえば2月は45冊、3月は21冊、今月に至っては今までで15冊しかラノベを読んでない。
どんどん読書量が減っていっているのは憂慮すべき事態だなぁ。