しずるさんと偏屈な死者たち(上遠野浩平:富士見ミステリー文庫)

昨日の夜『しずるさんと偏屈な死者たち』(上遠野浩平富士見ミステリー文庫)を読了しました。

病気で何年も入院している「しずるさん」と、そのお見舞いに通っている「よーちゃん」が新聞記事やテレビの情報だけで事件を解決してしまうという探偵ものの短編連作小説です。

この作品は上遠野氏の代表作、電撃文庫の「ブギーポップ」シリーズのような学園サスペンスではなくて、ごくごく普通の探偵ものであり、上遠野氏の作風からすると普通過ぎてちょっと物足りない印象を受けました。
まぁそうはいっても良作ではありますが。

文章は「よーちゃん」の一人称視点から描かれているのですが、
「しずるさん」も「よーちゃん」もキャラが立っており中々好感を持てます。
探偵ものなので謎も重要なわけですが、ありきたりなトリックではなくて新鮮味を感じさせてくれて面白いです。まあ、推理小説というわけではなく、トリックはおまけっぽいですけどw

また、ライトノベルなのでイラストも一応重要なわけですが
椋本夏夜さんの絵は、電撃文庫でイラストを担当している緒方剛志さんのイラストとは完全に趣が違い、少女マンガのような印象を受けるイラストです。
椋本夏夜さんのサイト椋本工房をのぞいてみると、結構面白いなあ。