『バッカーノ!1932』(成田良悟:メディアワークス電撃文庫)

http://529.hito.thebbs.jp/Madam/1071836974
の続編。

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麻薬中毒のロイは
ある事故のドサクサから、マフィアの持ち物である大量の麻薬を手に入れる。
ロイとその彼女がそれを扱いあぐねている間に
麻薬の情報が真偽入り乱れて街を駆け巡り、
マフィアと情報屋とが大混乱に陥る。
〜〜〜

みたいな感じかなぁ。
非常にストーリーがかきにくいのですがそこがこの作品のいいところです。

この作品は成田氏の3作目なのですが、
1作目は飲むと不死になる酒が、
2作目はレイルトレーサーが中心のバカ騒ぎだったのに対して、
3作目は情報と麻薬を中心に
登場人物らがバカ騒ぎをする話でした。

この人の作品はあらすじとかの説明が非常に難しいのですが、
魅力を語るとすれば、
「Aの人はaとbの情報を知っていてαという行動を起こし、
Bの人はbとcの情報を知っていてβという行動を起こし、
cの人はaとcの情報を知っていてγという行動を起こしました。
さて、どうなるでしょう?」
ってのを神様視点で見ることができるのが非常に面白いと思います。
とにかく登場人物の行動が非常に合理的かつ緻密で、
それが絡み合っていくところが非常に爽快です。
電撃文庫に過去の類似作が全くなく、非常に斬新だったり。


第9回電撃小説大賞で金賞をとったのがこの『バッカーノ』の1作目。
同じく上の『七姫物語』の1作目も第9回の金賞。
そこで言及している『キーリ』の1作目が第9回の大賞です。
ほかにも審査員奨励賞の作品を持っているのだがそちらは評判良くないみたいです。
まあとりあえず読んでみようかな。