『レベリオン2.3』(三雲岳斗:メディアワークス電撃文庫)

『レベリオン2.3』(三雲岳斗メディアワークス電撃文庫)を読了。

http://529.hito.thebbs.jp/Madam/1076947742
の続き。

ライトサスペンスアクションなワケですが、
ミステリ分がヘタだとはいえ、
ストーリーは中々面白く描写もしっかりしていて読みやすいし、
キャラクタも好感が持てる良作。
この人の作品の中では今のところ最高かなぁ。。


気になったところは、
道士さまといっしょ(電撃)
http://529.hito.thebbs.jp/Madam/1075042455

ワイヤレスハートチャイルド(徳間デュアル文庫)
http://529.hito.thebbs.jp/Madam/1073311995

M.G.H.(徳間書店)
http://thebbs.jp/Madam/529.1071325491
ランブルフィッシュ(角川スニーカー)やi.d.(電撃)
などと(要は自分が既読のこの人の作品全て)主人公のキャラが基本的に同じなところか。
この人はこういう周りが見えない熱血キャラしか書けないのかよと。

この人のレベリオンいれた自分既読の6作のうち
ワイヤレスとレベリオンとMGHの主人公は
熱血な中にも思いやりなどがあったりして好感が持てるし、
ランブルの主人公も痛快でありながら陰湿なところが全くないので好感が持てるものの
i.d.と道士さまの主人公はただのプライドの塊のような気がして全く好感が持てなかった。

ストーリーの観点からしても、
ベリオンは普通に面白いし、
MGHはこの人のミステリの中では最高だし、
ランブルも爽快で良かった。
対してワイヤレスやi.d.や道士さまはつまらなかった。
ワイヤレスはまだ”おもしろくない”というレベルですんでいた気がするが
i.d.や道士さまは根本的にだめな気がする。

そもそもレベリオンとi.d.はほとんど同じようなものなのに、
(学校内で異能を使った殺人事件が起こりそれを解決するアクションサスペンスであること。オチまで一緒)
それにもかかわらずここまで出来に違いが出たのはわかりやすさの問題かなぁ。
ベリオンはメインふたりに敵が数名だったし、
主人公の友人キャラは異能を装備していなかったのでまだ良かったものの、
i.d.はサブキャラまで異能をデフォ装備していたし、
異能を使うときに使い魔なるものを使っていたり
ふたり一組じゃないと異能を使えなかったり
敵味方が入り乱れてたり
登場人物の名前がやたらと覚えにくかったりして
非常に分かりにくかったのが敗因だったのかも。


作品の中で地雷と良作の開きがとても大きい作家だなぁ、三雲氏は。