『シルフィ・ナイト』(神野淳一:メディアワークス電撃文庫)

『シルフィ・ナイト』(神野淳一:メディアワークス電撃文庫)を読了。

第9回電撃小説大賞選考委員奨励賞受賞作

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大陸の”帝国”と戦争中である、沿岸の島国の”王国”。
王立空軍の戦闘機パイロットのジーンは、帝国の攻撃で僚友を失っていた。
そんな中、ライムという少女が部隊に配属される。
彼女は精霊の一族であるものの、魔力は無く、それゆえに疎外感とコンプレックスを持っていた。
二人と部隊の仲間は互いに支えあって任務をこなしていくが、
帝国の攻撃は激化していく。
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なんだか、読後感がとてもいい作品でした。
上のように書くと設定がかなり安易でガキ臭く感じられるけれど、
うまく作品にとけこませられていました。

ストーリーはソツ無くまとまってました。
盛り上がりもあったし、オチも投げていない。

キャラクタ造形も、設定がいいせいか上手いように感じました。
テーマもまああるし。

ただ、文章はちょっとたどたどしいかも。
流れるような、という感じではないし、鳥肌の立つ表現もありませんでした。
それに、感情表現での盛り上がりの作り方がヘタかも。
その分話を頑張って書いている感じがします。
同じ9期奨励賞の坂入は、感情表現を徹底的に排していて味気なかったですが、
こちらは感情表現をふんだんに取り入れようとしているものの上手くいってないかも。

これで電撃9期受賞作は全員読みました。
この人の2作目を読むと9期の既刊全巻制覇になりますw

順位をつけると、
壁井=成田>これ以上は大当たり>高野≧神野>これ以上はあたり>>坂入って感じかなぁ。
系統的には
1.壁井神野高野
2.成田
3.坂入
って感じにタイプわけできそう。
1はジャンル的にこのみ。
2は斬新で目からうろこ。
3は…、、。

まあ、地雷がない期だし、ライトノベル読みはじめの期なので、
9期が一番好きな期です。