『恋風 第31話「夏の終わり」』(吉田基已:講談社:イブニング2004-14)

イブニングは完全に恋風目当てに偶数号だけ買っている自分。
今回もものすごいなあ。吉田基已の演出は毎度毎度凄いと思う。
427Pの4コマ目に外の風景を映すところやら、432P4・5コマ目電車の描写やら、443Pの心中するの?をあえて大ゴマを使わずに5コマ目の小さいコマでさらっと流すあたりやら、その次のページ(444P)の2コマ目の七夏の髪の毛の具合やらがすごかった。全体通して季節感の描写が凄すぎる。
ただ、最近超大ゴマを使わなくなったような気がしてもったいない。見開きに計3コマくらいの場面があってもいいのになあ。


あと、2ch漫画板恋風スレ吉田基已「恋風」第17巻…からいくつかピックアップ。


耕四郎は恋人になるか、兄妹に戻るか、死を選ぶのか悩んでいる。
だが七夏は悩んでいない。
だから両親の話題も「え…なんで(そんな事聞くの?)」だし、優しさも「へん」だと言う。
耕四郎の七夏に対するあいまいな態度に対して、七夏は神社で祈った内容を話すことで自分の耕四郎への想いが今もこれからも変わらないことを伝えたのだろう。
耕四郎の涙は、そんな七夏の想いに答えを出せない自分を”どうしようもない人間”と思って流した涙だ。
救いは「帰ろうか」のセリフだ。
どこへ帰るのかはまだはっきりしていないが、死ぬことだけは回避したようだ。
アパート(2人だけで暮らす)か、最初の場所(兄妹の立場=社会への帰属)なのかはこれからの展開次第。
もしかすると原作では見つかっていない”耕四郎のアルバム”がきっかけになるかもしれん。 (後略)

今回も面白かった。
耕四郎の「何もかも捨ててどこかで二人で暮らそうか」に対する疑似体験を行い、結論を出したということか?
「心中するの?」はこのまま付き合っていくと社会的に迫害され、やがては心中という結末を迎える恐怖感の排出、および共通認識の形成を表している。
最後の「帰るか」は社会復帰の比喩。つまり今後は別れる方向で話が収束すると脳内予想。


そういえば、アニメ版を見ていないんだよなあ。至急見ねば。
7/25に発売になるサントラに収録されるOPテーマ『恋風』(歌:ef・作詞:岡崎律子・作曲:橋本由香利)のフルサイズ版音源も聴きたいなあ。